訪日外国人観光客の数が急増する中、一人当たりの消費額が高いオーストラリア人観光客を呼び込もうと、福島県知事らが現地でPR活動を行いました。

記者
「こちらシドニー市内にあるスノー・トラベル・エキスポの会場です。このように日本の各スキー場のブースも立ち並んでいますが、多くの人で賑わっています」

日本をはじめ、アメリカやヨーロッパなど70を超えるスキーリゾートなどが出展し、毎年1万人以上が来場するこの展示会。会場の半分近くを日本のブースが占めています。

長野市 荻原健司市長
「実は長野に行ったことがあるという人が非常に多くて、驚いています」

去年、日本を訪れた外国人観光客の数はおよそ3700万人で、過去最高を記録しました。

中でも、スキーなどのアクティビティを好むオーストラリア人観光客の数は、前年比でおよそ50%増加の92万人。

観光庁によりますと、観光・レジャー目的での一人当たりの消費額はおよそ40万円で最も高く、旅行業界内では「超優良顧客」とされています。

多くの日本ブースの中で目だって大きなPRスペースを確保したのが福島県です。

この展示会に先立ち、「福島の今」を伝えるレセプションを首都キャンベラで開催しました。

120人を超えるゲストの前で講演した福島県の内堀雅雄知事は、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興が進む県内の様子を説明。福島への来訪を呼びかけました。

福島県 内堀雅雄知事
「オーストラリアの地から福島県を応援している人がこんなにいるんだ。県民の皆さんにしっかり帰国してから伝えていきたいと思います」

レセプションに参加したオーストラリアのサム・モスティン連邦総督は、国民の福島県への訪問を後押ししていきたいと話しました。

オーストラリア サム・モスティン連邦総督
「オーストラリア国民に福島を訪れ、地元の産物を楽しむよう勧めることができれば幸いです」

26日には、シドニー市内の和食レストランで福島県産の日本酒や食材のPRも行った内堀知事。

観光地としての知名度不足など課題が残るなか、大災害を乗り越えて復興に進む福島のレジリエンス=回復力を、引き続きオーストラリアの人たちに示していきたいと話しました。