特攻から51年 博多湾で不時着機見つかる

今林隆史 記者
「鳥谷さんが乗っていたのと同じ九七式戦闘機が展示されています。海から引き揚げられ修復されました」
この機体は1945年4月、特攻に向かう途中、エンジントラブルで博多湾に不時着したものです。

それから51年経った1996年9月、博多湾の埋め立て工事の際に海底から鮮やかな日の丸の色が残った機体が見つかり引き揚げられました。

廃校となった中学校のプールで付着した塩分を取り除く「塩抜き」を行った後修復作業が行われました。

朝倉市に住む岩切範宏さん(66)は、九七式戦闘機の修復作業に携わった一人です。
岩切範宏さん(66)
「フジツボと臭いだけは残っていた。海に浸かってたんだなというのは分かりますね」

岩切さんは失われていた右の翼の先端を復元する作業を担当しました。

修復の際に議論になったのが塗装をするかどうかです。

岩切範宏さん(66)
「意見がわかれるところで、元々のきれいな色に復元したらいいんじゃないかという意見もあれば、歴史を感じるような海底から引き揚げたそのものの色で残す。」「きれいにするとやっぱりただの作り物。当時のものが浮かんでこないというか、歴史を感じない」