死後も続く中傷 竹内元県議の妻の苦悩に赤木俊夫さんの妻「力になりたい」

2025年1月に亡くなった、兵庫県の竹内英明元県議。

立花孝志氏 YouTubeより(2024年11月15日)
「竹内県議が、たくさんデマ流しとるわ。悪い奴らだ」

誹謗中傷やデマが相次いだ末、自宅で命を絶った。

その2か月後、竹内元県議の妻が取材に応じ、生前、夫が苦しんでいた様子について、こう語った。

竹内元県議の妻
「自分の存在意義みたいなものを否定して、苦しむ様っていうのは、本当に見るに堪えなかったです。全身全霊をかけてやってきたことを失って、それまで築いてきたものも、人間関係であるとか、そういった社会との繋がりであるとかも絶たれて、何とも孤独な思いでいたのは、主人も私も強く思ったことです」

夫の死から4か月が経った5月18日、訪ねてきた女性がいる。

森友学園に関する公文書を改ざんさせられ、自殺した赤木俊夫さんの妻・雅子さん。竹内さんの妻に自らの姿を重ね、「力になりたい」と申し出てきたという。

赤木雅子さん
「お酒、お好きだったんですか?」

竹内元県議の妻
「そうなんです」

赤木雅子さん
「一緒に飲みたかったね」

この日は、4か月目の月命日。竹内さんの妻は、ようやく夫の死を実感できるようになったという。

竹内元県議の妻
「いよいよ本当に戻ってこないというか、ずっと現実のものと思えていないところがあったんですけど、生活が落ち着いてきて、本当に家族が居ないということを改めて思い知らされるというか。何でこうなったのかなというのは、常に考えてしまって…」
「主人は仕事も、特にこの1年ものすごく忙しくなって、私も一緒になって仕事を手伝ってやっていたので、半身が死んだような…」

赤木雅子さん
「夜、寝られてます?」

竹内元県議の妻
「まだ何が分からないのかも分からないというか、とにかく気がついたら、1日が終わっていて。1週間が過ぎていて、1か月が経って、3か月、4か月になったなって…」

立花孝志氏のYouTubeより(3月)
「政治家が中傷されたぐらいで死ぬなボケ」
「竹内を中傷してましたよ」

死後も続く、誹謗中傷。竹内さんの妻は、深く傷ついていた。

竹内元県議の妻
「主人は政治家だったから、誹謗中傷と批判はされてしかるべきだって。ただ『弱かったから追い込まれた』と言われるのが、非常にね」

赤木雅子さん
「私もそれが一番嫌だった。すごく悔しかった。友達に『ご主人は弱かったんやね』って言われた。違うんですよ、強かったんですよ。強いからね、追い詰められたんだと思います。弱い人だったら逃げてますよ。逃げなかったんですよ」

夫は、なぜ死を選んだのか。竹内さんの妻は、知事選の期間中、夫を中傷した投稿の数々に、目を通し始めたという。

竹内元県議の妻
「本当にそれまで怖くて、中身までは見てとか、知ってとかということを、できずにいたんですけど。再度、精神が痛めつけられるような感じも覚えながらですけど、落ち着かない状態が収まるのはいつになるのかという思いで、常にそれも答えがまだ分からないままですけど」

赤木雅子さん
「時間が経つと絶対、光は見えてくる。自分の7年前のことを思い出すし、亡くなったことのショックもあるんだけど、亡くなる前の苦しんでいる姿が消えないんですよ。そこが私の生きる力になっていると思っていて。だって悔しいんだもん」

竹内元県議の妻
「そういう風に強さに変えられるときが、来るのかな…」

赤木雅子さん
「来るんですよ」
「いっぱい味方いると思うので」

竹内元県議の妻
「今、その悔しさとか、自分のなかで消化もできず。でも、何故こうなったとか考えていくうちに、このことを無駄にしたくないというか、何か意味を持たせたいというか。やっぱり、もう二度とあってはならないって思いますよね」