「最高の相撲だった」

天内さんも、この快挙を遠い青森の地で我が事のように喜んだ。

天内さん
「最初の優勝の時も万歳が出たが、今回も自然に万歳が出た。最高の相撲だった。入って突ける彼の得意な相撲で勝った」

去年8月には当時、関脇だった大の里が藤崎町を訪ねた。交流を心待ちにしていた天内さんは初代・大ノ里の石碑の前で妻とともに写真を撮った。大の里からは四股名がプリントされた反物をプレゼントされた。短いながらも濃密な時間となった。

天内さん
「津軽弁で言えば、いい若い者好感がもてる青年親しみやすく威張るわけでもない」

天内さん提供

角界でスピード出世をしても人となりは変わらず、その後も本人から直接、番付表がおくられるなど交流が続いている。

天内さんが横綱昇進を確実にした大の里に期待するのは息の長い活躍だ。

天内さん
「最低10年間はわき目をふらず相撲道にまい進してほしい。(本人が)唯一無二の相撲とりになると言っているが、私もそう思う。歴史に名を残すような大横綱を目指してほしい」。

大正・昭和の角界を沸かした相撲の神様・大ノ里、その名を受け継いだ平成生まれの令和の怪物は時を越えて角界を沸かす存在として、一歩一歩、相撲道を歩んでいく。