90年ぶりの復活
その「大ノ里」の名前が再び脚光を浴びたのが2023年4月だった。
日体大で2年連続全日本選手権制してアマチュア横綱となった中村泰輝が二所ノ関部屋に入門。二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)が期待を込めてつけたのが「大の里」だった。

弟子に「しこ名」をつける際に、当時、二所ノ関親方はある人物に連絡を取った。それが大ノ里の親戚の天内司さんだった(大ノ里の兄が天内さんの曽祖父)。

天内さん
「親方から『今大学を卒業をした子に大ノ里をつけたいがいいですか?』と電話があった。初代の大ノ里がクローズアップされるからぜひ使ってくださいと答えた」。

90年ぶりに「おおのさと」の四股名が復活した瞬間だった。
その後の活躍は目覚ましかった。

23年夏場所に幕下10枚目格付け出しで初土俵を踏むと、同年秋場所で新十両、24年には初場所で新入幕すると九州場所では新大関となった。そして今年の夏場所、綱取りのプレッシャーを微塵も感じさせない取組で23日には13連勝で2場所連続4度目の優勝を決めた。