鹿児島県内有数の米どころ・伊佐市では、今年の秋に収穫するコメの田植えが最盛期を迎えています。
全国的なコメ不足で需要が高まり、田植えを前倒ししている農家もあります。
(記者)「梅雨の貴重な晴れ間。米どころ伊佐市のこちらの田んぼでは例年より1週間ほど早く田植えが始まった」
伊佐市菱刈の農家・亀割浩介さんのおよそ30ヘクタールの田んぼでは、23日から田植えが始まりました。
国によりますと、全国のスーパーのコメの平均価格は、5キロあたり4268円と去年の同じ時期のおよそ2倍になっています。
亀割さんは、毎年、秋に収穫したおよそ120トンを直売やネット通販などで1年かけて販売していますが、ことしは半年で売り切れ、販売を休止しています。客からの問い合わせが今年に入り400件を超えていて田植えを例年より1週間ほど前倒ししました。
(農家 亀割浩介さん)「秋を迎える前に、半月ほど売り切れたことは25年間農家をしていて1、2回あったかどうか。4月に売り切れるのは初めてで、気が焦る感じで1週間早く植えた」
亀割さんのコメの生産コストはウクライナ侵攻以降、肥料や人件費の高騰などで1.5倍に上がりましたが、卸値は以前のままでした。しかし、米不足が始まった去年の秋以降、卸値が上がったことで、ようやく採算がとれるようになってきたといいます。
(農家 亀割浩介さん)「本当に厳しく自転車操業で、それでも(利益が)足りなかった。今年みたいな単価が維持できれば農家の後継者が育つ」
一方、価格高騰で消費者の米離れも懸念される中、“自慢の味”で選んでもらえるコメ作りをしたいと意気込みます。
(農家 亀割浩介さん)「あまりにも価格が上がりすぎているので、消費者が離れるかもしれないという不安はある。自分のコメのファンをつかんで少しずつ販路を拡大できれば」
田植えはおよそ1か月間続き、9月に収穫期を迎えるということです。