暑さが本格化する前に、体を暑さに慣れさせる「暑熱順化(しょねつじゅんか)」を行い、熱中症になりにくい体づくりを進めることが必要です。

星野誠 気象予報士
「日なたの気温は手元の温度計では30度あります。この暑さの中ですが、子どもたちは元気いっぱいに体を動かしています」

仙台市太白区の八木山小学校では21日に5、6年生あわせて約180人が運動会で披露するソーラン踊りの総練習に励んでいました。

この日の仙台は最高気温が26.1度と7月中旬並みまで上がり、子どもたちからは暑いとの声が多く聞かれました。

6年生
「暑いのが苦手なのでけっこうきついです」
「太陽ギラギラでめっちゃ暑くて、汗だくだくで疲れた」

熱中症に詳しい朴澤(ほうざわ)耳鼻咽喉科の朴澤孝治院長は、今のうちに、体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」が必要だと指摘します。

朴澤耳鼻咽喉科 朴澤孝治 院長
「いざ暑くなる時にいい汗をかいてうまく熱を体から発散することができるので、熱中症を防ぐことができるということになる」

朴澤医師が言う「いい汗」とはー。

まだ暑さに慣れていない時にかく汗は塩分が多く、蒸発しにくいため、体から熱が逃げにくいといいます。

一方で、暑さに慣れた時にかく汗は効率的に体温を下げることができ、塩分も失われにくくなります。

朴澤耳鼻咽喉科 朴澤孝治 院長
「汗の中に含まれている塩分が外に出る前に汗腺というところで再吸収されるんですね。そうすると、熱が外に放散することができると同時に、塩分もあまり失われないということで、うまく暑さに対応できるようになる」

八木山小学校では、休み時間はなるべく外で体を動かして遊ぶように声掛けをしていると言います。

八木山小学校 清水涼平 教諭
「子どもたちは急激に気温が変わると地面に近いですのでより体調の変化が起こりやすくなりますので、暑さに慣らしていくというのはとても大事なのかなととらえています」

3か月予報では6月から8月にかけての気温は平年より高いと予想されていて、今から「暑熱順化」を心がけていく必要がありそうです。

暑熱順化の方法について朴澤医師は運動のほか、入浴も効果的としています。

39度前後のお湯に10分から20分程度浸かることで、体の内部の温度=深部体温が上がり、汗をかきやすくなる、ということです。