アンパンマン、世界へ羽ばたくか?海外展開の可能性

野村
これから日本のコンテンツをどんどん海外に輸出をしていきたいというムーブメントがある中で、まさしくアンパンマンというのは日本的思想を持っていて、餡とパンという和洋折衷的なところも少し日本っぽいなと感じがします。そういった点も含め、世界に打って出れるキャラクターということなんですね。

中山
そうですね。日本のキャラクターでやはりポケモンがあって、ハローキティがあって、次ぐらいにアンパンマンが来ますが、世界トップ20ぐらいの中で、母国での認知率98%なのはアンパンマンだけです。

野村
なるほど。

中山
どう見てもここにしかブルーオーシャンはないというか、なぜこのキャラクターだけ海外で広がっていないのか、逆に不思議なぐらいで。よく「顔を食べさせるのはキリスト教的にありえない」などといわれますが、ちゃんと調べたことがあるわけではないんですよね。実際、中国とか他の国では浸透し始めて、色々な展開もされているわけだから、やっていなかっただけ、ということなのです。

野村
ひょっとしたらそのキリスト教圏には受け入れにくいものかもしれませんが、やった結果どうなるかわからないですし、あとはアジアは全然また違う価値観だと思うので、そこから行くという手もありますよね。

中山
そうですね。

野村
ありがとうございます。中山さんのご著書ではないのですが、中山さんが登場されている、柳瀬博一さんの著書『アンパンマンと日本人』も3月に刊行されましたので、ぜひご興味ある方は手に取っていただければと思います。

<聞き手・野村高文>
Podcastプロデューサー・編集者。PHP研究所、ボストン・コンサルティング・グループ、NewsPicksを経て独立し、現在はPodcast Studio Chronicle代表。毎週月曜日の朝6時に配信しているTBS Podcast「東京ビジネスハブ」のパーソナリティを務める。