「非常に強い調べがあるのが好き」谷川俊太郎さんも魅了した永瀬さんの詩

1988年、RSKテレビで放送された永瀬清子さんの特別番組には、詩人、谷川俊太郎さんもインタビューを寄せていました。

(谷川俊太郎さん)
「これは永瀬さんの確か2冊目の詩集だったと思います。その時にはまだ永瀬さんの詩の素晴らしさみたいなものは分からなくて。ただ他の詩人たちの詩と違って非常に強い調べがあるのが好きでしたね」

谷川俊太郎さんは、去年11月、92歳で亡くなりましたが、その半年ほど前、RSKラジオのインタビューで永瀬作品の魅力を語っていました。

(谷川俊太郎さん)
「永瀬さんの詩は、女性としての、仕事とか生活から、離れないで詩を書いていらっしゃるから、当時の現代詩っていうのはもっとみんなずっと抽象的だったんですね。だから永瀬さんの詩がとても具体的な人間の普通の暮らしに根付いているところが新鮮だったわけ」

表町に開設した読書室は、そのような作品に親しむと同時に、ハンセン病に対する理解を深めてほしいという願いが込められています。永瀬さんがハンセン病療養所の入所者に寄り添い続けた詩人だったからです。

(ハンセン病療養所世界遺産登録推進協議会 山下晴海理事長)
「永瀬さんも自分と社会をつなぐ言葉が詩なんだと言っている。この場所もハンセン病の入所者と自分をつなぐひとつの架け橋みたいなものになってくれればいいな」