日産はリストラしても生き残りの保証はない

経済ジャーナリスト 井上久男さん
今回の日産のリストラ案は、内田時代からはかなり踏み込んだ内容となりましたが、技術革新の流れが速いうえ、中国勢が台頭していることなどから競争環境がますます厳しくなっているので、リストラを実行したからといって日産が生き残れる保証はありません。
ただ、リストラしないと生き残れないことも確実です。

自動車メーカーの国内再編は避けられないと言いましたが、トランプ関税なども含めて世界で起きている大きな変化を踏まえれば、日産ホンダ経営統合問題は「コップの中の嵐」だったのかもしれません。

                (聞き手:RKB毎日放送アナウンサー下田文代)

井上久男(いのうえ・ひさお)
1964年生まれ。
福岡県出身。
1988年 九州大学卒後、NEC入社。
1992年 朝日新聞に転職。
    主に名古屋、東京、大阪の経済部で自動車や電機産業などを担当。
2004年 朝日新聞を早期退社してフリーの経済ジャーナリストに転じる。
現在は文藝春秋、講談社、小学館、ヤフーなどが発行する各種媒体で執筆しているほか、講演活動、テレビ出演も多数ある。
主な著書は『自動車会社が消える日』『日産vs.ゴーン支配と暗闘の20年』(ともに文春新書)