前社長の「判断先送り」と「危機感薄い販売増計画」

Q ゴーン氏の負の遺産に未だ苦しんでいるということでしょうか

経済ジャーナリスト 井上久男さん
負の遺産は、2018年のカルロス・ゴーン氏の事件の時にはすでに分かっていたのですが、ゴーン氏の後の社長、特に内田誠 前社長の経営能力が低かったと言わざるを得ない。
内田氏が判断を先送りしてきて、今大きなツケが回ってきています。
内田氏が社長を務めていた昨年の中期経営計画で「世界で販売台数を100万台増やす」という危機感が薄い計画を出していました。

Q そのために経営責任を問われて退任、後任にメキシコ出身のエスピノーサ氏(46)が新社長に就任しました

経済ジャーナリスト 井上久男さん
エスピノーサ社長は今、車両工場を17から10に減らして生産能力をさらに250万台にまで落とすと言っています。

これはゴーン氏が日産の経営に関わり、1999年に行った「日産リバイバルプラン」に匹敵する規模のリストラです。
当時も従業員の14パーセント・約2万人の人員削減削を行いました。
「100万台の販売増」を表明した前社長の危機感のなさが「日産の病状」、日産の危機を拡大させたという面は否定できないと思います。