国の来年度の予算編成に向けた概算要求を前に宮崎県の河野知事は防衛省を訪れ、新富町の航空自衛隊新田原基地でのF35Bの垂直着陸訓練について、地域住民の意向に沿った適切な対応を求めました。

新富町の新田原基地には、今年度、最新鋭ステルス戦闘機F35Bが配備される予定で、防衛省は、当初、F35Bの垂直着陸訓練について緊急時を除き行わないとしていましたが、一転して夜間も含めて実施する方針を示しています。

20日は河野知事が防衛省を訪れ、来年度の予算編成に向け、金子容三政務官に要望書を提出。
F35Bの垂直着陸訓練について、夜間も含めた回数など訓練の必要性を精査し、地域住民の意向に沿って適切に対応するよう求めました。

(宮崎県 河野俊嗣知事)
「地域の皆様の様々な不安、負担というものがある。不信感を持っておられる方もおられますので、地元の声というものを丁寧に聞き取っていただいて、必要な対応を図っていただきたいということを強くお願いしたい」

また、河野知事は、新田原基地所属のT4練習機が、愛知県で墜落した事故についても、原因究明と安全対策の徹底を求めました。

【参考】
このほか、宮崎県は新田原基地内やその周辺の井戸で、国の指針値を上回る濃度のPFASが検出された問題について、発生源の調査や拡散防止策を求めました。

また、去年、自衛隊と海上保安庁が平時から訓練などで円滑に利用できるよう整備する「特定利用空港」に宮崎空港が指定されました。
これについても、空港利用者や県民の生活に影響が出ないよう、安全対策を徹底するほか、事前に訓練の内容を公表するなど情報提供をするよう求めています。