子どもの水難事故は「川」で多発
警察庁の発表によりますと、去年(2018年)1年間に水難事故にあった人は1529人で、そのうち死亡・行方不明は692人です。このうち、川での事故による死亡・行方不明は197人(全体の28.5%)となっています。特に中学生以下の子どもの死亡・行方不明は河川が半数近くを占めています。
なぜ川で事故が起きるのか
川の資質を理解していない、「大丈夫」という根拠のない自信が原因です。■川では人は浮きにくい

川と海はまったくの別物。海水は塩分を含んでいるので人は浮きやすいのですが、川の水は空気を多く含んでいるため、人が浮きにくくなります。岩や落差によって白く泡立っている所(ホワイトウォーター)は40~60%も空気が含まれていて、物体の浮力を奪います。
■河川工作物付近の水流はとても複雑

※(公財)河川財団の資料を参考に作成
ブロック等に代表される、河川工作物が原因の事故は、水難事故全体の15%(河川財団調べ)といわれています。特に堰堤等の直下流は、リサーキュレーションという上流方向に反転する強力な流れが発生することがあり、脱出が非常に難しくなります。
■流れによる水圧で泳ぎにくい

流れの速さに対して、垂直に受ける水の圧力(動水圧)は2乗になる。大人が歩く程度の流速でも、流れの中で何かに引っかかると1人の力ではどうすることもできないほどの動水圧を受けることがあります。
水難事故を防ぐには…
・ライフジャケットを装着する川での事故原因の約90%は溺水。ライフジャケットさえ装着していれば助かっていた
可能性もある。泳ぎが得意でも、川での泳ぎは危険を伴う
・水の特徴を理解し、水難につながりやすい危険な場所、
危険な行為などを知っておくことが重要
プラス・アドバイス!
・川の情報や天気をチェックする天気は前日の雨もチェック。増水の可能性もあり
・川幅の広いところは、流れが速くても
穏やかな流れに見えやすいので注意する
・大人もライフジャケット装着が川の常識
アドバイザー
