山体膨張が続き、活動が活発化している桜島。40年以上桜島を研究してきた専門家は「1週間程度は火山活動に警戒が必要」といいます。
鹿児島市が今年4月に設置した桜島火山防災研究所の井口正人所長です。

桜島には今月13日以降、マグマが断続的に流入していて、「山体膨張の規模はこの40年で最大級」とみています。

(井口正人所長)「1985年に京都大学が坑道で観測開始したが、(山体膨張は)中でも最大級。膨張としてもかなり大きい。マグマはたまっている状態なので、どこかの段階でそれなりに大きい噴火が起きる」
近年の火山活動で井口所長が例に挙げたのが、2020年6月に起きた南岳山頂火口の爆発です。

この時は、直径1メートルほどの噴石が、34年ぶりに火口から3キロを超えて飛散しました。
(井口正人所長)「マグマが入った膨張を見ると、(今回は)2020年の6月4日の前と比べて大きい。ただし今回は、大正噴火には遠く及ばない。けた違いで(マグマ量が)少ない」
1980年代に見られたような大量の降灰「ドカ灰」に至る可能性も低いとみていますが、「風下」には注意が必要です。

(井口正人所長)「風下は火山灰が降る方向。小さい火山れきも飛んでくる方向。どの方向に火山灰が降るかという予報は、気象庁の降灰予報を参考にしながら考えておく必要がある」
井口所長は「1週間程度は警戒が必要」とみています。