BRAHMAN TOSHI-LOWさんやORANGE RANGE YOHさんなど…アーティストからのメッセージ
GAPPA ROCKS ISHIKAWAに出演したアーティストの中で、5組に取材。音楽を通じて被災地へエールを送り、支援を呼びかける彼らの言葉を紹介します。
プッシュプルポット

金沢発の4ピースロックバンド、プッシュプルポット。
大学の軽音サークルで結成され、2019年に現在のメンバーとなりました。作詞・作曲を手がけるボーカル・ギターの山口大希さんは岩手県出身で、13歳のときに東日本大震災で被災した経験をお持ちです。
金沢を拠点に精力的な活動を続け、ライブ会場に募金箱を設置するなど、能登にも思いを寄せ続けています。
プッシュプルポット ボーカル 山口大貴さん「まだまだ復興は進んでないなって思いましたし、それ見て胸が痛くなって僕たちって何できるんだろうって考えた上で、やっぱり自分たちができるのは音楽だからこそ、より気持ちを込めて、1本1本のライブするようになりました」
山口さんは自身の東日本大震災での被災経験にも触れ、「あったことを忘れないために曲を書いている」 としながら、「でもあの日の経験があったからこそ、能登でのその様子見に行ったときに自分なりの考え方だったり、石川県を代表するバンドとしてライブでしっかり石川県の現在の状況だったり、気持ちを伝えてるのかなって思います」 と語りました。
プッシュプルポット ボーカル 山口大貴さん「俺たちはバンドやってて、元気づけたいなって思ってますし、もしもつらくなったときにあなたが聞くための音楽でありたいなって思ってます」
片平里菜さん

アコースティックギターを手に、凛とした歌声で日常の本音やラブソングを紡ぐシンガーソングライターの片平里菜さん。福島県出身で、2013年のデビュー以来、等身大のメッセージで共感を集めています。
片平さんは今年のゴールデンウィークに珠洲市や羽咋市でライブを行ったり、輪島ではボランティア活動で土砂の運搬作業にも参加したりするなど、能登に頻繁に訪れ、支援活動を行っています。
能登の状況について、2024年の11月以来、約半年ぶりに訪れた印象を「大きく変わったわけではないけれど、少しずつ復旧から復興に向かっている様子も見えた」 と語り、「まだまだ人の手は必要だと思いますけど、引き続き気持ちだけでも寄り添っていきたい」 と、継続的な支援の必要性を感じたそうです。
シンガーソングライター 片平里菜さん「もちろん地震や水害、自然災害はなかったら良かったですけど、でもこれをきっかけに、気づかなかった地元の良さを再確認して、もっと好きになれたらいいなって。能登のことも、金沢のことも、それぞれが住んでいる町のことをもっと大切に思えるようになったら、きっとそれが未来の防災・減災に繋がるんじゃないかなと思います」
ORANGE RANGE YOHさん

沖縄出身の5人組ロックバンド、ORANGE RANGE。
ベースのYOHさんは、2013年頃から復興支援団体「幡ヶ谷再生大学 復興再生部」の活動に参加し、様々な被災地で支援活動を行ってきました。能登半島でも、豪雨被害が大きかった輪島市南志見地区での炊き出しに同行しています。
今回のGAPPA ROCKS ISHIKAWAへの参加は、南志見地区での個人的な支援活動がきっかけ。南志見地区での炊き出しでは、メニューの魯肉飯を「すごく美味しいって言っておかわりをもらいに来た人もいたりして、『どうぞ~』ってこのやり取りがすごく印象に残っている」 と、温かい交流があったことを語りました。
ORANGE RANGE YOHさん「大変な思いをされてる方々が今多いと思うので、ちょっとでもそれを緩和するというか、盛り上げる時間があってもいいよねっていうふうに思ってもらえたら」「個人なのかバンドなのかわからないですけど、引き続きちょっと見守っていけたらなというふうに思っています」
THE BONEZ

2012年に始動し、精力的なライブ活動で人気を集める4ピースロックバンド、THE BONEZ。
ボーカルギターのJESSEさんは、能登半島地震後すぐにチャリティーグッズを作成して収益を寄付したり、能登半島地震を風化させないという思いでチャリティーシングルをリリースしたりするなど、様々な活動を通して能登半島に心を寄せ続けています。

GAPPA ROCKS ISHIKAWAでのライブは入場規制がかかるほどの大盛況で、JESSEさんは「一番の褒め言葉というか、みんなそんなに見たかったんだなと嬉しかった」 と喜びを語りました。
これまでのライブで「Thread & Needle」という楽曲を披露する度に「能登に届けるためにみんな歌ってくれ」と呼びかけてきた経験から、石川でそれを実現できたことについて、「ようやくちゃんと受け取ったって感じられた」 と、音楽を通じて思いが通じ合ったと語りました。
THE BONEZ JESSEさん「きっとまたつらいことは起きるし、でもつらくないことが無い方が人生豊かだとは僕は思わない」「これからもきっといろんな壁が押し寄せてくることはあると思いますが、信じる希望があれば乗り越えられるので、そういうときに音楽を使っていただけたら嬉しいかなと思ってます」
BRAHMAN TOSHI-LOWさん

1995年結成のロックバンド、BRAHMAN。
ボーカルのTOSHI-LOWさんは、復興支援を行うNPO団体「幡ヶ谷再生大学 復興再生部」の代表も務めています。東日本大震災での支援物資届けから活動を始め、様々な被災地で支援活動を行い、音楽ファンと被災地を繋ぐ取り組みを続けています。
BRAHMAN TOSHI-LOWさん「感じることはSNSとかテレビを見てれば大変そうだなとか気づくことはできるけど、そこからどうやって動くかによって自分の心のもっと深いところで感動を覚えるようなことが起きる」 「まだ奥能登の方行ってない人とかはもう観光でもいいし、もちろんボランティアしたらなおいいと思うし、やっぱり現場に行くっていうことが、もう1個新しい扉を開けるんじゃないかな」
自身が代表を務める、幡ヶ谷再生大学の活動については、「自分がたまたまミュージシャンだっただけで、違う職業をやっていても何か繋ぐことをしたんだろうし、一番自分たちができ得ることをやった」 「それが自分たちの得意なことあれば、やっぱりライブがあって石川に来たら、そこから被災地に行くお手伝いをするっていうのは、悪いことじゃないと思ってます。」 と、音楽活動と支援活動を結びつける意義を示しました。

TOSHI-LOWさんは最後に、能登・石川へのメッセージとして、能登(NOTO)を音符(NOTE)と捉えた自身の考えに触れました。
BRAHMAN TOSHI-LOWさん「一番初めから能登に必要なものは音楽でいいじゃんって、俺はこじつけのように思ってて、今日それが体現化してこういうふうに能登に対する何か復興ということが音楽でできるっていうのはやっぱその思いが間違ってなかった」