見送った与党も批判する野党も「選挙に向けたパフォーマンス」

財源として、「厚生年金の積立金からの拠出」と、「国庫からの拠出を増やす」(現在の制度より年最大2.6兆円増やす)ことで「基礎年金の底上げ」は可能だということですが、今回の改革案では見送られる結果となりました。その理由をジャーナリストの武田一顕氏はこう語ります。
(ジャーナリスト・武田一顕氏)「今夏の参議院選挙に向けたパフォーマンスであることは間違いない。自民党には年金のトラウマがある。かつて、『消えた年金』『年金未納問題』で、選挙で惨敗した記憶があります。だから、あまり年金の根本改革はやりたくないというのが、自民党の本音。厚生年金の積立金から基礎年金に入れても一定程度、後で帳尻は合うが、厚生年金を“流用”するという悪印象がついてしまったから、今回は見送った。それを野党は批判するが、立憲民主党と国民民主党の後ろには労働組合がついています。組合員というのは大体が厚生年金の加入者であるわけです。それで本当に戦えるのか(=本当に厚生年金の積立金からの拠出に賛成なのか)ということも考えると、今回の場合は与野党ともに本当にパフォーマンスになってしまっている」
そして、「基礎年金の底上げ」をめぐる今後のシナリオについては…
(ジャーナリスト・武田一顕氏)「6月22日に国会が閉会予定ですが、それまでに約1か月しかない。こんな大事な法案を1か月で、しかも衆議院で与党は過半数持っていないのに修正できるわけがない。はっきり言って、これを審議するのは時間の無駄。今夏の参院選で与党が勝てば、秋の臨時国会で現法案のまま行くでしょうし、与党が負けたら、もう一度野党と協議することになり、修正法案に『基礎年金の底上げ』が入る可能性もある。いずれにせよ、この通常国会では法案成立は厳しい」














