真っ直ぐに投げられない要因は横回転の強さ

北口が今やるべきことは、シーズン初戦のダイヤモンドリーグ・上海紹興大会で明らかになった。

60m88で4位。2回目までは1回目の55m54がベストで、4回目以降の試技が許されるトップ8にも入れないところだった。3回目に60m88に記録を伸ばしたのは、追い込まれてから強い北口らしさを発揮したともいえたが、6回目の試技ができるトップ3に入れなかったのは、北口らしくなかった。「5本中1本も真っ直ぐに投げられませんでした。真っ直ぐに投げられれば62〜63mは普通に飛んでいたと思います。(原因は)体の回転が速すぎて、おそらく手が遠くを通っています。その分、やりが振り回されてしまっている」。

やりを投げる動作における回転は、縦方向の回転と横方向の回転が合わさった回り方といえる。北口は「体の回転を速くしたいとやっていたんですが、横回転ばかり強くなってしまった」という。「縦回転が強くなれば体の軸にやりが近くなるのですが、横回転が強くなると手の位置が遠くなるので、それかな、と思っています」。

やり投は助走の最後の局面(専門用語ではクロスステップ)で右脚、左脚と接地して投げる。左脚が着くまでに、腰が投てき方向に正対する位置まで戻すことができれば、やりは真っ直ぐに飛ぶ。上海紹興大会の北口はそこが不十分だった可能性が高い。

やりが右方向や左方向に曲がったり、大きく上下に振動したりしないで、北口が投げ出した方向に真っ直ぐに飛ぶかどうか。そこがGGPの勝敗を左右する。