災害が起きた場合、自宅から避難することを余儀なくされる場合があります。
体育館などの避難所には仕切りがほとんどないため、騒音やプライバシーの問題で他の避難者とトラブルになったり、窮屈な避難所生活で健康を害したりと、さまざまな問題が起こることが考えられます。
これらの問題を少しでも解消してくれるアウトドアグッズの1つが「テント」です。


熊本地震とテント村



2016年4月に起きた熊本地震で最も被害が大きかった益城町では、テント村が設営されました。テント生活を送った避難者は、人目を気にせず家族単位で過ごせたことを喜んでいたそうです。また、「テント村で初めて熟睡できた」との声もあったということです。


災害時におけるテントの必要性


・プライバシーの確保
 ・人目を気にせずくつろげる、着替えられる
  女性は授乳場所としても安心
 ・隣と離れて設置できれば音も気にならずにすむ
 ・ペットと一緒に過ごせる(※屋外にテントを張った場合)

・「エコノミー症候群」の予防
車中泊をしている人は、「エコノミー症候群」を引き起こす可能性があり、テントがあれば足をのばして寝ることもできる

・季節を問わず快適に過ごすことができる
(※エアコンを切った車よりも暑くならず寒くならない)

・余震で倒壊のおそれがない


防災用としのテントの選び方

・災害用として屋外で使用する場合は耐水性・耐風性・通気性のバランスを重視

・避難が長期化すると考えた場合、居心地のよいファミリーテントが良いが、山岳用は風雨に耐えうる利点がある

・収容人数や家族構成から大きさや設営のしやすさを考え、表示されている使用人数よりも少ない人数でゆったりと使えるもの


精神的なストレスも軽減

災害時におけるテントの役割は、熊本地震でのテント村の例をみてもわかるように、プライベート空間を確保できることで精神衛生にも良い影響を与えています。


プラス・アドバイス!

・普段から組み立てたり、寝たりして扱いに慣れておく

・自宅が被害にあっても、すぐに取り出せる場所に保管しておく

・避難所などでテントを設営する場合は決められた場所に

・自宅敷地内にテントを設営する場合は二次被害が起きないことを確認


アドバイザー

あんどうりす
(アウトドア防災ガイド)


阪神大震災被災体験とアウトドアの知識を生かし、日々の暮らしの中に意識しなくても防災を取り入れられる方法を提案。滝登りや川遊びが大好き。