充実期を迎えた日本スプリント界 自国開催で目指す“6年ぶりメダル”

(左から)上山選手、桐生選手、栁田選手、サニブラウン選手

今大会、メダルには僅かに届かなかったものの、サニブラウンに頼らずとも世界で堂々と渡り合った。現場で指導した信岡沙希重コーチは「今回は世界陸上のシードレーン獲得と、新しい選手をどんどん使ってオーダーを試すことが目的だったので、十分すぎる成果を得られたと思う。6人で挑んだ世界リレーだったが、"誰が走ってもやれる"という空気感が出てきて、日本のリレーはこのレベルなんだということを世界に示せた」。同じく現場で指導した江里口匡史コーチは「連戦が続いていた事でイレギュラーなこともあったが、若い良いスプリンターが育っていることを証明できた。東京世界陸上に向けて良い一歩が踏み出せた」と話し、手応えを掴む大会となった。

日本には今大会に出場した6人の他にも、北京五輪を除く日本が世界大会で獲得したメダルの全てに出走している桐生祥秀や、日本選手権を2連覇している坂井隆一郎、今季100m日本最速の10秒09をマークしている栁田大輝と小池祐貴(30、住友電工)、今月追い風参考記録ながら初めて9秒台をマークした守祐陽(21、大東文化大)、復活が期待される山縣亮太(32、SEIKO)、多田修平(28、住友電工)など、若手もベテランも錚々たる面々が顔を揃える。

サニブラウンも「今大会で日本のどの選手が出ても世界と戦えることがわかった。東京世界陸上では、日本の皆さんに金メダルをお届けしたい」と自信をのぞかせる。東京世界陸上を控える2025年に充実期を迎えた日本スプリント界、国立競技場で大観衆の歓声を浴びる4人は、一体誰になるのかー。