宮崎2区選出の江藤拓衆院議員が、2度目の農林水産大臣に就任して11日で半年を迎えました。
農業をめぐっては、現在、コメの価格高騰が国民生活に大きな影響を及ぼしています。
問題にどう向き合っているのか単独インタビューしました。
※2025年5月8日(木)に取材

(垣内沙耶記者)
「就任半年を迎えた江藤大臣。コメの価格高騰などさまざまな課題に対応してきたこの半年間をどう振り返るのでしょうか」

第4次安倍再改造内閣で農林水産大臣を1年間務め、去年11月に発足した第2次石破内閣で再び起用された江藤拓農林水産大臣。

(江藤拓農林水産大臣)
「もう半年たったのかなというのが正直なところ。大きな変化に対応してきたので、とにかく忙しかったですね」

「備蓄米」放出の決断

農林水産省が直面しているのがコメの価格高騰。

(江藤拓農林水産大臣)
「上昇したコメの価格を落ち着かせるため、この夏の端境期まで、切れ目なく備蓄米が供給されるよう、夏まで毎月、備蓄米の売り渡しを実施する」

この問題に対応するため、江藤大臣は、生産量が大幅に減った場合に備えて国が保管している「備蓄米」を放出するという決断をしました。

(江藤拓農林水産大臣)
「価格が高騰したときに出すということは、本来的な目的から大きく外れているわけです。しかし、最終的には、農林水産省は国民の皆さま方に安定的に食料を供給するという責任を負っていますから、そのことを考えれば、ここは思い切って出そうということで、21万トンを最初出しました。やったことがないからなかなか勇気は要りました。正直なところ」

成果が上がっていない 非常に今の状況はしんどい

政府は、これまで3回の入札で30万トン余りの備蓄米を放出。

しかし、全国のスーパーで販売されたコメの平均価格は、17週連続で値上がりしていて、去年の同じ時期の倍以上となっています。

(江藤拓農林水産大臣)
「(家庭で)本当はお米を食べさせたいけど、高いから他のものにせざるを得ない話とか、備蓄米を探していろんなスーパーを回っている姿とかを見ると、やっぱり率直に申し訳ないと思います。国民の大切な財産である備蓄米を市場に放出しても、結果として、成果が上がっていないということでありますから。非常に今の状況はしんどいです」

備蓄米について、政府は今月にも4回目の入札を行うことにしていますが、農林水産省によりますと、3月中に落札された備蓄米およそ21万トンのうち、4月13日時点で小売業者に届いたのはわずか1.4%。備蓄米が十分に行き渡っていないことが明らかになっています。

(江藤拓農林水産大臣)
「備蓄米を出しても、スムーズに流れない。ですから、この米の流通に関わる方にはとにかくお願いしますと、しっかり流してくださいということを局長通知も出しました。一度、備蓄米を出すという方を決断したからには最後までやり遂げようと思いますが、ただ、残りもう60万トンしかありませんから、これをいかに有効に使うかということは、さらに注意が必要なんだろうと思います。一生懸命考えています」

少しでも生産者の方々の手取りが増えるように

また、コメの価格高騰だけでなく、アメリカのトランプ関税への対応も注目されます。

(江藤拓農林水産大臣)
「今回、トランプ大統領が一方的なことを言ってきました。もちろんアメリカのマーケットは大きいですけが、新しいマーケットを開拓する。特に、成長著しい東南アジアにはマーケットを求めていって、少しでも生産者の方々の手取りが増えるように輸出には取り組んでいきたい」

就任時、初動の5年間を農業の構造を転換する集中対策期間と位置付けた江藤大臣。
今まさに、大転換が求められている日本の農政のトップとして、重責を担っています。

※MRTテレビ「Check!」5月12日(月)放送分から