“契約”に時間がかかっている?

 なぜ備蓄米は出回らないのか…。これまで大規模災害時に2度放出されたことがある備蓄米ですが、流通経済研究所の折笠俊輔主席研究員によりますと、「“流通円滑化”による放出は今回が初めてで、契約に2~3週間かかっていると思われる」ということです。この契約は、『政府と集荷業者(JAなど)』『集荷業者と卸売業者』『卸売業者とスーパーなど』の間でそれぞれ交わされるため、最大でも2か月近くかかる計算になるとしています。また、折笠氏は「従来のコメの流通+備蓄米放出で流通がパンクしている」とみていて、「卸売業者の精米・袋詰めなどにも時間がかかる」と言います。

 ただ、折笠氏は「現状のシステムの中では、今の流通方法が一番早い」と指摘。日本に数百ある卸売業者に、政府から直接流すと「さばけない」そうです。また、精米や袋詰めは卸売業者が行っているため、小売店では対応が難しいのではないか、という見解です。