「風景を歌うことが本当の反戦」 56年前にも“反戦ムーブ”が

音楽による反戦は、今に始まったことではありません。56年前の昭和44年、それはムーブメントとなっていました。

当時、若者たちを結びつけたものは、ベトナム戦争反対を訴えるフォークソングでした。

この年(1969年)、デビューしたのがフォークシンガーの高田渡さん。

♪「自衛隊に入ろう」より
「みなさん方の中に自衛隊に入りたい人はいませんか」

楽曲「自衛隊に入ろう」では、自衛隊の募集の文句をそのまま歌詞に。自衛隊への皮肉を込めました。

♪「自衛隊に入ろう」より
「自衛隊に入ればこの世は天国
男の中の男はみんな自衛隊に入って花と散る」

反戦を歌うことについて、高田さんは生前こう話していました。

フォークシンガー 高田渡さん(2004年)
「僕はね、一番大事にしているのはね、いつもいるその風景が好きですね。その風景で、そこを歌うこと自体が本当の反戦だと思う」

坂本龍一さんも「非戦の思い」を音楽と言葉で発信

2年前に亡くなった音楽家・坂本龍一さん。2001年のアメリカ同時多発テロ以降、「非戦」の思いを音楽と言葉で発信し続けました。

筑紫哲也キャスター(2004年)
「坂本さんは9.11以降、“非戦”、戦いに非ず、ということをずっと言い続けてきたわけですよね」

坂本龍一さん
「今、世界がこんなにちょっと雲行きがおかしいんで、平和・非戦とか言ってるけれども、それが目標になってしまうのもおかしな話」