キャラクターを“語る”デスクと空間

その思想は、ピース法律事務所のセットにも色濃く反映されている。まず目を引くのは、主人公・宇崎凌(間宮祥太朗)の机だ。
宇崎のデスクは、必要最低限の物しか置かれていない。「宇崎は、事務所に入ったばかりということもあって、私物を事務所に持ち込むことはしないのかなと思います。性格からして自分の趣味のものを持ってきて机の周り置くって感じじゃない。昔は一心不乱にMMA(総合格闘技)をやっていたけれど、今は彼の中で変化があったのかなと」。
中心となる執務スペースは、他の人物ごとにも異なる性格を帯びている。
「伊野尾麻里(上白石萌歌)は実は策士なので、知恵の輪やパズルなど思考を象徴する小物を配置しています。撮影中に触っていて『完成しちゃった!』というサプライズもあるかなと思って、さりげなく置いています。ロジカルだけど明るい性格というギャップを出されば面白いかなと」。
「高井戸斗真(三山凌輝)は、DJをやっている設定なので、最初はストリート系の物を置こうと思っていました。しかし、実はミニマリストで私物は持ち込まない。それならいっそのこと全部を排除したほうがいいなと考え、事務系の家具なども無機質なスチール製で揃えました」。