鳥語版ルー語?驚きの実験方法で文法の存在を証明

シジュウカラは“警戒”を意味する「ピーツピ」と、“集合”を意味する「ヂヂヂヂ」という単語を組み合わせて“警戒して集まれ”という意味の「ピーツピ・ヂヂヂヂ」という文章を作ることもできます。さらに驚くべきことに、シジュウカラの作る文章には、文法が存在するのだそうです。鈴木氏はこれを証明するために、ユニークな実験方法を考案しました。それが「鳥語版ルー語」です。

タレントのルー大柴さんが日本語と英語を混ぜて「ルー語」を使うように、鈴木氏はシジュウカラと一緒に群れを作るコガラという小鳥の鳴き声を組み合わせた音声を作りました。シジュウカラの“警戒”を意味する鳴き声と、コガラの“集合”を意味する鳴き声「ディーディー」を組み合わせたのです。

「ピーツピ・ディーディー」という、自然界には存在しない新しい鳴き声を聞かせたところ、シジュウカラはちゃんと理解して反応しました。また語順を逆さにした「ディーディー・ピーツピ」では反応しませんでした。

鈴木氏によると、これはシジュウカラの作る文章「ピーツピ・ヂヂヂヂ」の「ヂヂヂヂ」の部分が、コガラの「ディーディー」に置き換わったとしても、“警戒”が先、“集合”が後に来るという文法のルールがあり、それにあてはめて、シジュウカラが理解していることを示しているそうです。

鈴木氏
「シジュウカラは新しい文章を理解する柔軟な能力があり、人間と同じように言葉をフレキシブルに組み合わせて会話している可能性があります」