アメリカのFRB=連邦準備制度理事会は、3会合連続で政策金利の引き下げを見送りました。早期の利下げを求めていたトランプ大統領との溝が一段と深まっています。

アメリカのFRBは7日、3会合連続で政策金利の据え置きを決めました。

トランプ大統領はFRBに対して景気を下支えする利下げをただちに行うよう繰り返し求めていましたが、パウエル議長は▼労働市場が底堅さを保っている一方、▼物価上昇率は目標の2%を上回って推移しているとして、応じませんでした。

記者
「トランプ大統領が利下げを要求したことは、今回の決定や仕事をするうえでの難しさにどの程度影響しましたか」

FRB パウエル議長 
「私たちの仕事にはまったく影響しません」

さらに、パウエル議長は「トランプ関税」の影響で「経済の先行きの不確実性はさらに増した」としたうえで、「失業率の上昇と物価上昇の両方のリスクが高まった」と指摘しました。

FRB パウエル議長
「関税の規模・範囲・時期、いつまで続くのか、不確実な部分がとても多い」

一方、ホワイトハウスの高官は、パウエル議長の会見の直後に「物価が再び上昇するとは予想していない」と話し、改めて早期の利下げを求める姿勢を示しました。

経済の現状認識をめぐってホワイトハウスとFRBの間に深い溝があることが改めて浮き彫りになった形で、トランプ大統領がパウエル議長への圧力を再び強めることも予想されます。