「二人の未来を奪い 私から全てを奪ったJRが…」妹の悲痛な言葉


そして、事故から1年半が経った2006年10月、由起さんは、自ら人生に終止符を打った。

兄・荒川直起さん
「おふくろは… すぐ… 抱きかかえてましたね。(由起さんは)優しい顔じゃなかった。一点をずっと見ていた」


部屋には複数の遺書が残されていた。

(由起さんの遺書)
「彼に会いたい でも乗車位置が見つかるまで これが終るまではって がんばって来たけれど もう無理 限界です」

「彼がいない世界で生きれるなら 違う道選んでるやろ。彼じゃなきゃあかんから がんばって来たんやん」

「二人がんばって いろんな事乗り越えて 大変やったけど すごい幸せになったよ そやのに 何でこんな事になんの?」

「由起は悔しくて悔しくてたまりません。二人の未来を奪い 私から全てを奪ったJRが 憎くて憎くてたまりません」

婚約者を喪った絶望に加え、“JR西日本や世間から、遺族ではなく単なる同居人として扱われている” という思いを、由起さんは抱いていたという。遺書にも「由起は ただのバカですまされるの? 彼にとって存在しない人として扱われて」など、そうした苦しい感情をつづっている箇所があった。