2025年4月、松﨑さんは99歳の誕生日を迎えました。取材したこの日は、家族・親族が集まって、松﨑さんの“白寿”を祝いました。

◆松﨑淳子さん
「こうやって家族と顔を合わせることは、人間として"最高の幸せ"やね」

同級生の戦死、食糧難、大空襲、そして終戦…。数多の困難や苦しみを肌で感じてきた松崎さんは、終戦から80年を迎える今年、“白寿”の祝いの席で、"幸せ"を噛み締めながら食卓を囲んでいました。

99歳になった今、松﨑さんは、子どもたちに「食事を通じて豊かな人間性を育み、平和な時代をつくってほしい」と願っています。

◆松﨑淳子さん
「『食』がちゃんとしていたら、他のことも円満・スムーズにいくことを実感してるの。人は食べる時『心が素直に』なっちゅうき。そのテーブルで、孫・ひ孫を優しい気持ちにさせていく、これは、うんと大事なことやと思う」

戦争による壮絶な経験をして、”食”の研究に取り組んできた松崎さん。では最後に、彼女にとって「食べること」とは、何なのでしょうか?哲学的な難しい質問ですが、松﨑さんは、淡々と答えてくれました。

◆記者
「松﨑さんにとって『食べること』って、何ですか?」
◆松﨑淳子さん

「これは『当たり前のこと』。『特別にうれしい』とか、そういうのは無い。『当たり前の行動』やき」

「当たり前」の「食」。これを私たちが今の時代に享受できていることに、今一度、ありがたみを感じなければなりませんね。