ケアの手順などを一本化したガイドブックを動画化
この問題の解消に向け、鷲尾教授は、ケアの手順などを一本化し、分かりやすく紹介したガイドブックを作成。去年10月、県内の病院などに配付し、県の支援センターのホームページにも掲載しています。

そして先月、それをより分かりやすく広めたいと、動画化を目指してクラウドファンディングを開始しました。制作費用の目標、400万円はひと月ほどで達成し、現在は英語版の制作に向けた第2目標への寄付を募っています。
このようにケアの方法をある程度一本化するメリットは非常に大きいと、デイサービスの社長も話します。
(yell 平田晶奈社長)
「動画があると、同じものを見て共通の理解で、このやり方で良いですよねという確認がしやすくなるのかなと思っていて、それができることによってお父さんやお母さんが支援者にお願いしやすくなるんじゃないかなという風に思っています」

「いないいないばあ」
すくすくyellを利用する岡崎さん。1歳の双子はともに医療的ケア児です。
(岡崎英子さん)
「施設によってもやっぱり微妙にやり方が違ったりするというのはあるので、そこで統一できるというのはすごく大切かなと」

岡崎さんは薬剤師として働いていますが、現在は育休中。家族が安心して社会に出られるようにするためにも、環境を改善する必要性を感じているといいます。
(岡崎英子さん)
「母や家族以外の人でも看てもらえるというのはとても大切で、そういったところがやっぱり復職に繋がっていくのかなと思います」
(岡山大学 鷲尾洋介教授)
「就労したくてもできない保護者の方ってすごく多くて、そういった状況をより改善していくためには、福祉サービスにもいろんな選択肢が出てきてくれることを期待していますし、医療的ケアがすごく特殊なものじゃなくて一般的なものになっていく必要があると思っています。手順書や動画が広まることによってそういった意味でのインパクトはあるんじゃないかなと思っています」
医療的ケア児とその家族がより過ごしやすい環境を作るために。クラウドファンディングの期限は、今月30日までです。