年間300万人が利用する長崎の空の玄関口「長崎空港」。今月1日開港から半世紀を迎えた空港のこれまでの歩みと今後の課題についてお伝えします。

「どうぞ!」今月1日、開港50周年を迎えた長崎空港。

飛行機の年間の着陸回数は1万5391回で、九州の空港の中では福岡や鹿児島などに続き5位。全国の空港の中では15位となっています。

1975年大村湾に浮かぶ「箕島(みしま)」を埋め立て、世界初の本格的な海上空港として誕生した「長崎空港」

開港後は国内だけにとどまらず長崎と海外をつなぐ窓口として発展してきました。

1979年には初の国際線として中国・上海との定期便が就航。

その9年後には韓国・ソウルとの定期便も就航。長崎空港は「国際空港」としての一歩を歩み始めます。

高田勇知事(当時)「1歩1歩実現してありがたい。嬉しいと思います。このルートは大事に育てていきたいと思います」

しかし国際線の運航に影を落としたのが新型コロナウイルスでした。多い年では、年間で7万人以上いた国際線の利用者はコロナ禍の2021年度ゼロにまで落ち込みます。

「長崎-上海線の運航再開です」

コロナ禍が落ち着いたおととし長崎・上海線は3年8か月ぶりに再開。

去年、ソウル線も復活し、現在、長崎空港と上海・ソウルを結ぶ国際線は週に5往復、運航しています。昨年度の長崎空港の国際線の利用者は4万人にまで回復しました。

上海からの乗客「中国から1番距離が近い」

「きれいな景色とおいしいご飯が魅力的」

長崎空港国際線の県内経済への波及効果は年間20億円前後で、県はさらに伸びしろがあると期待を寄せています。

長崎県文化観光国際部。伊達良弘部長「(長崎を訪れる外国人観光客は)韓国、台湾、香港、中国、東南アジアを含めると、75%程度の方が東アジア、東南アジアから訪れているので、こうした国の方々にとって長崎は魅力的なのではないかなと思っています」

一方、長崎空港と海外を結ぶ国際路線は2路線であるのに対し、佐賀は3路線、熊本は5路線が就航するなど、九州の他の空港に比べ海外との直行便が少ないのが現状です。
長崎県文化観光国際部・伊達良弘部長「今運休中ですけど、香港線であるとか、長崎県への訪日客が2番目に多い台湾線を中心に誘致活動をしていきたい」

これまでの半世紀で1億2000万人以上が利用してきた長崎空港。更なる発展を遂げるためにはアジア諸国と距離が近いという利点を生かして、今後も需要の増加が見込まれる海外との直行便をいかに誘致できるのかがカギとなりそうです。