1年に1度、5月8日にだけ現れる姿を見ようと、毎年多くのアマチュアカメラマンや観光客が訪れる、長野県木島平村の樽滝が、2025年は見ることができないんです。

樽滝は、木島平村の樽川渓谷を通る国道403号線の脇の斜面を流れ落ちる高さ50メートルほどの滝で、毎年5月8日の1日限定で出現することから「幻の滝」とも呼ばれています。


新緑がまぶしい岩肌の斜面を、白く糸を引くように流れ落ちる滝を見ようと、毎年全国から大勢の観光客やアマチュアカメラマンが訪れ、写真に収める姿が見られるほか、最近では樽滝をバックに写真を撮ると幸せになるとの口コミをもとに訪れるカップルもいるということです。

そもそも樽滝が現れるのは、樽川に造られた中部電力の樽川発電所の水路の土砂を取り除くことなどを目的に放水を行うことによるものですが、2025年は導水路の改修工事が行われているため放水がないということです。

樽滝は、新型コロナの影響で、2020年と2021年は放流を中止していて、今回は4年ぶりの中止となります。

その一方で、毎年、樽滝の出現に合わせて地元の住民が手打ちそばや焼き鳥、おでんなどの販売を行う「糠千そば祭り」は例年通り行われます。

村では、地元の耕作放棄地で栽培するそばの提供などを通じて、地域の連携強化にも繋げたいとしていて、多くの人の来場を呼びかけています。