宮城県内は、本格的な田植えのシーズンを迎えていますが、コメの需要の高まりを背景に2025年から畑を田んぼに戻して、作付け面積を広げる農家がいます。
一方で、スーパーなどの売り場に並ぶコメは備蓄米が放出されて以降品薄が解消する傾向にあります。

板倉農産 阿部善文社長:
「2024年までここで枝豆を作っていた転作の畑だが、ここと向こう側とあと水路を超えた向こう側の3枚あるが、それを2025年に田んぼに戻す」

宮城県登米市南方町の農家、阿部善文さん(58)は、2025年、コメの作付け面積を2024年より1ha拡大し、約16haで生産する予定です。新たに作付けするのは、転作作物として2024年まで3年間、枝豆を作ってきた畑です。元々は田んぼでした。

板倉農産 阿部善文社長:
「かなり畑の土に戻っているので、ここをまた田んぼに戻すには苦労がある。雑草も多くなっている」

宮城県やJAなどでつくる協議会は、2025年、主食用のコメの作付面積の目安を2024年より約3200ha引き上げ6万199haとしています。作付面積の目安が、前の年を上回るのは、2018年にいわゆる減反政策が廃止されてから初めてです。

作付け面積を増やす阿部さんのもとには、契約していない小売店などからコメの問い合わせがいまもあるといいます。

板倉農産 阿部善文社長:
「もみで貯蔵しているコメもあるが、契約している客に出荷するコメしか残っていない。コロナ禍で在庫になったものがあったが、ここに来て一気に無くなった状況」

阿部さんはより安定的にコメが供給できる仕組みづくりが必要と考えています。

板倉農産 阿部善文社長:
「安定的でしかも食べやすい価格で供給していくことを前提にコメづくりをしていかなくてはいけない」

阿部さんは、ゴールデンウイーク明けから田植えを始める予定です。