鳥取県が2025年に倉吉市にオープンする県立美術館。
その目玉として購入した現代アート作品の価格が約3億円だったことが波紋を広げています。賛否の声が相次ぎ、県は急きょ住民説明会を開く事態となっています。
鳥取県が購入したその作品。27日、見せてもらうことができました。

齊尾和之 記者
「こちらが、県がおよそ3億円をかけて購入した、アンディ・ウォーホルの作品です」
ポップアートの巨匠、アメリカのアンディ・ウォーホルの木製の立体作品「ブリロの箱」。
アメリカの「たわし」の包装箱をモチーフにした作品で、2025年春に倉吉市に新設する県立美術館の目玉として、県が5点を計2億9145万円で購入しました。

しかし、7月に県議会の常任委員会で購入予定が報告されると、「日本人には全くなじみがなく、アメリカにあってこそ意味がある」「なぜ1点ではなく、5点必要なのか」など批判的な意見が寄せられました。
鳥取県 平井伸治 知事
「シャガールとかルノアールとか、県民がものすごく分かりやすく、これ見たいなというのはあるじゃないですか。そうすると返ってくる答えが、何十億、何百億になりますと。
美術品の値段も上がってきている状況がある中で、専門的な知見を持った人たちも苦労されてのウォーホルという選択だったんだろうと思います」
購入した5点のうち1点は、1968年に制作された希少なものですが、残りの4点はウォーホル了解のもとで、生前の企画展に関わっていた美術関係者により、ウォーホルの死後1990年に作られたものです。

県立美術館の目玉に3億円。県民の反応は…
県民は
「やっぱり目玉が無いと人は来ないと思います。アンディ・ウォーホルだったら有名ですから」
「価値がゴーンと急に下がっちゃうもんでもないし、資産みたいなもんですから。いいんじゃないですか」
「物価も上がっていて、給料は上がらずそのままなのに、ちょっとそのボックスに3億円はありえないかなって思います」
「金額的なことと、そういうものの価値が私たちみたいに分からない人にとっては、へーと思って」