日中関係筋「パンダはNo.1かNo.2案件」
藤森祥平キャスター:
日本のパンダがいなくなってしまう可能性も出てきています。

和歌山・アドベンチャーワールドでは6月末に4頭が返還される予定、そして東京・上野動物園では来年2月に2頭が返還期限を迎えることになっています。
小川彩佳キャスター:
私もアドベンチャーワールドが大好きなんです。色々な魅力がありますが、パンダが4頭もいるので、行けば必ず並ばずにのびのびと見られる。寂しくて仕方がないです。
藤森キャスター:
上野動物園については、過去にもパンダがいなかった時期があります。高齢だったリンリンが息を引き取った後、2008年から2011年までパンダは不在でした。

当時の日中関係はかなり冷え込んでおり、2010年の9月に尖閣諸島沖で中国の漁船が日本の海上保安庁の船に衝突したことが象徴的です。しかし、その5か月後の2011年2月にはパンダが日本にやってきました。これは、関係を完全改善したいという中国からのサインであるとも考えられています。

日中の関係筋によると、「パンダは中国のNo.1かNo.2案件だ」ということです。パンダは、習近平国家主席レベルに決定権がある「超」の付く重要な外交カードです。

小説家 真山仁さん:
日中国交回復からずっと日中友好のシンボルとしてパンダという存在があった。正直、中国が何を考えているかは我々には全くわからないが、日本が本当に日中友好を続けてきたのかを考えるチャンスでもあるかもしれない。
例えば、アメリカがトランプ大統領になってからは、日本は関税などの問題でアメリカにばかり関心が向いている。太平洋の東側にばかりに気を取られている日本が、パンダを返すときだけ「日中友好を続けましょう」というのはどうなのか。外交って360度するべきだと思うので、そういう意味ではこのパンダの返還を契機に中国との外交は本当に昔と変わっていないのかを考えるべきではないでしょうか。