今年度、水揚げが激減する見込みの「陸奥湾産ホタテ」についてです。
青森県の宮下宗一郎知事は漁協関係者から窮状を聞き取ると、「今までにない対策を講じていかなければならない」と前例にとらわれない支援の形を検討すると話しました。
宮下知事は28日朝、平内町漁協小湊支所を訪れ、実際にホタテの養殖の状況を確認しました。
【知事と関係者とのやりとり】
知事
これって毎回こうなるんですか?
関係者
いや異常だ。
知事
かごってこれしか入ってない?
関係者
12~3枚を入れたが、開けてみると5~6枚とか。
使えるものは2~3枚とか
知事
もしかして、これ(小さい貝)がこのままだったってこと?
関係者
そうです
2024年秋に入れた稚貝ですが、成長しないままかごに残っていました。
この漁協では、おとといの26日に水揚げされたホタテのうち8割はすでに死んでいて、1割はサイズが規定に満たないため、販売ができるものは1割程度だということです。
平内町漁業協同組合 後藤石雄 組合長
「漁業者の生活面を一番にサポートしてもらえればということを言いたいです。問題点を早く見つけて、言ってもらえればいいかなと」
県漁連によりますと、陸奥湾ホタテの水揚げ量は例年であれば7万5000トンほどありますが、今年度は2万トンと見込まれています。
原因となっているのは『自然環境の変化』です。
漁協関係者
「例年であれば、ここまで成長が悪くて死ぬっていうのはまずない。これまで高水温っていうのは何回もあったんですけれども、『高水温』+『エサ不足』っていうのが、やっぱり今までにない現象ですね」
こうした漁業者からの窮状に対して宮下知事は、前例にとらわれない支援の形を検討するとしました。
青森県 宮下宗一郎 知事
「これまで起こったことのない事案が発生しているという認識は、改めていたしましたので、これまでにない対応が必要。『被害が出ました』という報告を受けて、調査の結果が出てからでは遅い。調査の前からこういう形でスタートするのが大事だと思います」
宮下知事は、28日午後に外ヶ浜町蟹田にも訪れ、28日だけで7つの漁協関係者から話を聴き、原因を調査していく方針を示しています。