大阪で開催中の「大阪・関西万博」。ここで5月に広島県安芸高田市の吉田高校神楽部が神楽を披露します。吉田高校神楽部といえば、神楽甲子園で賞を受賞したこともあります。本番までおよそ1ヶ月。練習に励む高校生たちの頑張りを取材しました。

「あっちのほうで練習しています」。大阪・関西万博本番まであと2ヶ月に迫ったこの日。神楽部の前良飛瑛部長(3年)が案内してくれた神楽部の練習場に部員の姿はありませんでした。

吉田高校神楽部の万博への出場が決まったのは去年5月。顧問の服部秀輝先生は「正直びっくりしました。信じられなかったですね」と振り返ります。前良部長も「えっ?マジ?みたいな。そういう舞台に立てるということは、なかなか無いことだと思うので」と話します。

しかし、当時の3年生が引退すると、残った部員はわずか6人。去年12月を最後に、まともに活動出来ない日が続きました。

その中で、万博で演じる演目を、広島神楽で定番の「滝夜叉姫(たきやしゃひめ)」に決めました。ただ、奏楽と演者あわせて9人は必要です。しかし部員たちには、当てがありました。地元の神楽団に所属する新入生に声をかけ、入部が見込めていたのです。

川上獅瀬さん(2年)
「(春には)自分の入っている団の子らが入ってきたり、他の団に入っている子らが入ってきたりするんで、しっか教えていくことが大事ですかね」

部員のほとんどが地元の神楽団に所属。子どものころから神楽をしています。前良部長もそのひとり。神楽団で得たものを部活動に活かしたいと考えています。

吉田高校神楽部 前良部長
「地域の団の人から、所作だったりとか、刀の向き、位置、角度とかを、こうした方がいいよと言われて、やったら綺麗に見える。参考にしていますね」

団員
「やっぱり神楽部だけでは習えないところがあると思う。しっかり学んで、部の方でも取り入れていってもらえればと思います」