コメ以外の選択肢を模索…日本の戦略は?
コメの扱いが難しい中、日本政府は他の交渉カードも模索している。経済部記者によれば、自動車分野での非関税障壁の見直しが焦点の一つだという。
トランプ大統領は、日本がアメリカ車の輸入を実質的に妨げているという認識を示している。これに対し、国土交通省は安全基準の緩和などを検討しているが、簡単には譲歩できない事情がある。「日本の交通事故の多くが人や自転車と車の衝突によるもので、アメリカとは安全に対する考え方が異なる」と経済部記者は説明する。安全基準は人命を守るためのものであり、安易な緩和は難しい。
また、農林水産物の分野では、大豆やトウモロコシの輸入拡大が検討されているという。これらの品目は、コメに比べて国内生産への影響が小さいと考えられている。さらに、LNG(液化天然ガス)の投資拡大も交渉カードの一つとして浮上している。エネルギーの安定供給につながる可能性があり、採算が取れるならば、日本にとってもメリットがある提案だ。

しかし、交渉カードの選定には慎重を期す必要がある。急ぐ必要はあるが、焦ってアメリカ側の要求に飲み込まれてはならない。一方で、長期化すれば日本企業へのダメージも大きくなる。この難しいバランスをどう取るのか、赤沢大臣の手腕が問われている。














