ふるさと納税の返礼品をめぐって、6つの市町村で不適切な申請を行っていたことが明らかになりました。

その1つ小布施町のケースです。
返礼品300以上の品目のうちブドウの21品目が不適切な申請に該当しました。この21品目の2023年度の申し込み件数はおよそ1万件、1億2300万円余りが町の税収となりました。

今回、町は総務省に対して、「近隣市町村で収穫されたブドウが混在してしまう可能性」があったものを「町内のみ」として申請していました。
原因はどこにあるのでしょうか?

県内5番目の人気があった小布施町の2023年度のふるさと納税の申し込み件数。
町内にはおよそ300軒のブドウ農家があります。シャインマスカットや巨峰といった対象になった品目は、この地域の特産品です。

なぜ今回不適切な申請が行われてしまったのか。

小布施町企画財政課・宮川信幸課長:「小布施は特に町村境というか、そういう方は小布施だけに土地を持っているのではなく、須坂地域に土地を持っているケースはある」

「出作(でさく)」とは、農家が自分の住んでいない近隣の市町村で農業をすることを指す言葉です。

農家は:「小布施という土地が狭いので出作が多いんですよね。小布施の人が作っていて、たまたま土地が須坂市にあるという」

返礼品を生産していた農家からは、戸惑いが聞かれました。

返礼品を出荷していたブドウ農家:「自分たちで責任を取って自分たちの畑で作っているものが何でいけないのという認識。行政のために協力して尽くしてもらって農業を応援してもらおうという中で、一生懸命やっているにも関わらず逆方向みたいな話」

町内には、複数の市町村に農地を持つ農家もいます。

一方、町は、返礼品に関しては、生産されたのが、町内だけか、そうでないかを厳格に分けて申請する必要があります。

「町内のブドウだけ」として申請した理由は、分からないとしていますが、農家に対し、「町内産」だけを出荷するよう伝えてはいなかったということです。

そのため農家にも、「混在」という認識はありませんでした。

返礼品を出していたブドウ農家:「僕らは知識はないですね、そういう話はなかった。正直な話「何それ」という。ある意味きっちりしていない制度なので僕ら農家としては迷惑。それを言うと行政の責任になってしまうかもしれないけど」

小布施町企画財政課・宮川信幸課長「過去の担当が(出作を)理解していたかわからないが、(農家ではない)私でも(出作を)わかっていたので、それに対応しなければいけなかったのがすべて」

町によりますと、対象となった返礼品は受付を停止していて、総務省への再申請は6月ごろまでに認可される見通しです。