アメリカのワシントンで行われたG20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議が閉幕しました。トランプ政権に145%の追加関税をかけられている中国の中央銀行総裁は、「適度に緩和的な金融政策を着実に実施し、質の高い発展を推進する」と強調しました。

中国の中央銀行「中国人民銀行」によりますと、G20財務相・中央銀行総裁会議に出席した潘功勝総裁はスピーチで、アメリカのトランプ政権による高い関税措置を念頭に、「経済の分断と貿易摩擦が産業のサプライチェーンを混乱させている」と批判しました。

主要国に対しては、「国際協力を推進し、世界経済や金融の安定を維持するために実質的な行動をとるべきだ」と呼びかけました。

また、潘功勝総裁は現在の中国経済の状況について、「回復が続いており、金融市場も安定している」と指摘。その上で、「中国人民銀行は適度に緩和的な金融政策を着実に実施し、中国経済の質の高い発展を推進する」と強調しました。

中国の習近平指導部は去年12月に行われた重要会議のひとつである「中央経済工作会議」でも今年の金融政策について「適度に緩和的にする」と表現していて、財政出動と金融緩和を組み合わせることで景気を下支えする姿勢を示しています。