鹿児島を代表する特産品の黒豚の肉が、今、一部の流通ルートで品薄となり、値上がりしています。その背景には、国内外の様々な要因が絡んでいるとみられます。
指宿市のラーメン店です。開店と同時に店内は客でいっぱいになりました。店の人気メニューは、県産のかごしま黒豚を使った黒豚チャーシューラーメン。しかし今、その黒豚が品薄になっているといいます。
(元祖指宿らーめん二代目 伊牟田圭代表)
「値上げお願いしますと肉屋から言われることはあったが、品が入らないですと言われるのは初めて」
かごしま黒豚の仕入れできる量が夏ごろから少なくなっていて、黒豚チャーシューラーメンは数を限定するなどしています。さらに仕入れ価格もこの1年で25%も値上がりし、店にとっては苦しい状況となっています。
(元祖指宿らーめん二代目 伊牟田圭代表)
「お肉屋さんから提案されるのが、鹿児島県産から宮崎県産に切り替えたらまだ入ってくると言われる。でも地元の食材にこだわっているので、できれば鹿児島県産の黒豚を使いたいという思いがあって、どうすべきかを考えている」
このラーメン店にかごしま黒豚を卸している指宿市内の精肉店です。25日に入荷できた黒豚の肉の量は、希望していた量の5分の1ほどしかなく、市内の旅館や飲食店に卸すため、店頭に並ぶのはわずかだといいます。
また、注文しても入荷待ちとなっている部位もあり、ロースやバラ肉の入荷は2週間ぶりだったといいます。
(てぞの精肉店 中村聡仁店長)
「(品薄になったのは)夏ぐらいから。それまでは普通にあった。急にこのような状況になってびっくりしている」
てぞの精肉店が今月、取引先に出した文書です。「黒豚肉の仕入れが大変困難な状況」とし、その要因として、
●コロナ渦で一時、過剰在庫になった反動で畜産業者が出荷を縮小したこと
●今年夏の猛暑で黒豚の食欲が落ちて肉の量が減ったこと
●ロシアによるウクライナ侵攻の影響などで輸入飼料が高騰し、農家が廃業したり、肥育日数が短い白豚に転換したりしたこと
を挙げています。
そして、ホームページでも一般の顧客に在庫不足を知らせています。
全国旅行支援も始まり、今後への期待も高まる観光地・指宿市で、人気の特産品・黒豚の品薄が続けば、観光面にも影響が出るのではと心配しています。
(てぞの精肉店 中村聡仁店長)
「老舗旅館ではずっと同じメニューを食べに毎年来てくださるお客様もいる。それが出せないとなると打撃を受けるんじゃないかと」
黒豚の品薄は、指宿だけではありません。MBCの取材に対し、鹿児島市の複数の業者も品薄の状況はあると話し、供給量の減少に加え、県内の業者より複数の部位をまとめて購入する県外の業者に黒豚肉が流れているのではないかとの声もありました。
一方、値段も上がっていて、黒豚以外も含む国産豚肉の枝肉価格は夏前から上がっていて、去年と比べて6〜9%高い状態が続いています。
こうした状況について、県は「県全体で黒豚が不足しているという状況にはない」とするものの、「出荷頭数が減る一方で経済活動が回復しつつあり、供給が追いつかない事態が一部で起きている可能性はある」としています。
今後、経済回復による需要の増加も期待されるかごしま黒豚。しかし、一方で円安などによるさらなる輸入飼料の値上がりも懸念されていて、品薄や値上がりが一時的、部分的なもので済むのか、関係者は動向を注視しています。
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