青森県の十和田湖畔で不法係留されている遊覧船が、この冬の雪の重みによって横転しているのが見つかり、県は、所有者に対して撤去勧告を出す手続きを進めています。
十和田湖宇樽部地区の桟橋で、ビニールシートがかけられている1隻の船。
これは、桟橋で不法係留されている4隻のうちの1隻で、2016年に事業を停止した「十和田湖遊覧船企業組合」が所有する船です。
雪の重みによって2月頃から横転しているとみられます。
県では、不法係留されている船について2022年度に油を抜いたため、これまでのところ油漏れは確認されていません。
ただ予防として、4月から周囲にオイルフェンスを張った上で、船体にシートをかぶせましたが、今後はさらに上からネットをかける作業が必要で5月2日までに終える予定です。
十和田湖では、25日から遊覧船の運航が始まり多くの観光客が訪れるなか、不法係留されてから10年が経つ遊覧船は老朽化が進んでいました。
近くで飲食店を経営する男性は、船の会社が廃業してしまったため、対応が難しかったと理解を示しながらも撤去を望んでいます。
十和田食堂 鹿渡一明 社長
「ずっとあっていいわけではないが、潰れた企業は救うことができないわけだから、県とか市とか国とかで、なんとかできればなと」
県は、所有者に対してこれまで行ってきた撤去指導よりも重い「撤去勧告」を出す手続きを進めています。