「遮光器土偶」を知っていますか。
ただの土偶ではなく、遮光器土偶です。
え?知らない?いえいえ、必ず一度は教科書等で見たことがあるはずです。
そうです。顔に大きな目のようなものがある土偶です。
今、この遮光器土偶をモチーフにしたヘアバンドがSNS上で話題となっているんです!

土偶は、縄文時代(約1万3000年前~約2300年前)に、日本列島の主に東日本で作られた人や動物をかたどった素焼きの土製品です。
大きさは数センチから数十センチと様々で、女性の姿を表現したものが多く出土しています。
このため、出産や豊作を祈るために作られたとも考えられていますが、はっきりとした用途は分かっていません。

この中でも、遮光器土偶は、最も有名な土偶の一種。
顔には、楕円形の目のようなものがあります。
この部分が、イヌイットが雪の光を防ぐために用いる遮光器(スノーゴーグル)に似ていることから「遮光器土偶」と呼ばれています。
縄文時代の晩期に、主に東北地方で作られていたとみられています。
最も有名なものが、青森県つがる市の亀ヶ岡石器時代遺跡から明治20年(1887年)に出土したもので、左足が欠けています。
秋田県大仙市の星宮遺跡等でも、同じような土偶が発見されています。


宮城県内では大崎市の恵比寿田遺跡から昭和18年(1943年)に、遮光器土偶が、完全な状態で発見されています。
どこも欠けずに出土するのは珍しく、国の重要文化財に指定されています。

なぜ遮光器土偶は、あのように大きな目なのかは、今も謎ですが、あの特徴的な顔は、可愛らしくもあり、ミステリアスでもあり、魅力的に感じる人も多いかもしれません。

そんな遮光器土偶をかたどったヘアバンドが、今SNS上で、話題となっているんです。
Xでは「めちゃくちゃオシャレ!」、「ナイスアイデア」と大バズり!

このヘアバンドを発案したのは仙台市内の女性で「7月12日から宮城県多賀城市の東北歴史博物館で始まる縄文時代の展示会に合わせて考えました。グッズは、毎日使える実用的なものの方が喜んでもらえるかなと。女性の多くは洗顔の際にヘアバンドを使うので、これだ!と思いアイデアを出しました。」とのこと。
軟らかい素材でできているので、アイマスクとしても使えるそうです。

おしゃれ?で人気必至の、この遮光器土偶ヘアバンド。
皆さんも、神秘的で魅力的な「遮光器土偶」になりきって時空を旅してみてはいかがでしょうか?