備蓄米放出の実態と「流通の問題」
政府は大手集荷業者などに対して約21万tの備蓄米を放出しました。しかし、驚くべきことに、3月30日までに放出された備蓄米のうち卸売業者、スーパーなどの小売りへ流通したのはわずか0.3%(426t)だといいます。
去年のコメの生産量は前年比で18万t増えていますが、大手集荷業者(JAなど)の去年の集荷量は前年比21万t減っています。こうした状況になっているため、農林水産省は「流通の問題」としています。トラックの配置や精米の準備がうまくいかなかったことも要因とされています。
しかし荒幡教授は「生産量の調査の制度にギモンがある」と指摘します。特に去年は「生産量が18万t増えた」とされていますが、去年は酷暑などがあったため、コメの質が落ち10万tほど使えないコメもあるのではないか、ともみています。
いっぽう山下研究主幹は「備蓄米21万tでは足りていないのではないか」と指摘しています。つまり「民間の在庫は去年からずっと40万tほど不足している」というのです。