なぜハーバード大学対立?目的は「エリートをぶっ壊す」

小川彩佳キャスター:
英科学雑誌「ネイチャー」が研究者約1600人に調査したところ、「トランプ政権の影響で出国を検討している」という研究者は約75%だということです。
文芸評論家 三宅香帆さん:
これは本当にアメリカだけの問題ではないと思っています。
ハーバード大学などのアメリカの大学は、各国から一流の研究者が集まり、一流の研究をグローバルな環境で行うという点が大事です。
そこが差し止められてしまうと、いろいろな国から集まって刺激を与え合って研究するフォーマットが崩れてしまいます。研究が国ごとに進むような状況になるのではないかと懸念してます。
藤森祥平キャスター:
トランプ大統領は、なぜここまでハーバード大学を敵視しているのでしょうか。

23ジャーナリストの宮本晴代記者によると、「トランプ大統領はエリートをぶっ壊そうとしている。トランプ支持者はエリート層に搾取されてきたと反感を持っている。ハーバード大との対立に拍手を送っている」ということです。
小説家 真山仁さん:
トランプ大統領は「アメリカファースト」「アメリカを強く」とずっと言っていますが、トランプ大統領の指す「アメリカ人」とは誰のことなのでしょうか。大統領が率先して分断の先頭を切る必要はありません。
しかも、エリートは特権階級ではなく、頑張って結果を出し、奨学金をもらってでも大学に行き社会に貢献したいという人たちです。アメリカはいろいろな物がハーバードのおかげで世界の競争力を持っていますから、「エリートをぶっ壊す」と言いながら、結果的に自分の足元を壊しているようなものです。
「自分が絶対」というトランプ大統領は、調子に乗りすぎている気がします。
藤森キャスター:
周りも止める気配がありませんね。
小説家 真山仁さん:
おそらく、止められたらクビにする人なのでしょう。
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<プロフィール>
三宅香帆さん
文芸評論家
年間350冊以上の本を読む
「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」で新書大賞
真山仁さん
小説家 「ハゲタカ」「ロッキード」など
最新著書に「ロスト7」