■円安効果!海外で売れる日本製

日比キャスター:
円安を追い風にというのは「越境EC」でも人気が高まっています。「越境EC」とは、日本と海外のお客さんをつなぐインターネットの通販のことですが、「Buyee」などを利用する海外の客約1900人を対象に行ったBeeCruise調査によると、円安の影響で“越境EC”を利用する頻度や使用する金額が増えたと答えた海外の利用者が63%を超えたというデータも明らかになっています。

それだけ“越境EC”が使われるチャンスが増えているということですが、では、どんなものが人気なのでしょうか。

日本で買った「靴下」がまた欲しくて利用した方もいるようです。2021年の11月から越境ECの一つでもある「Buyee」というサービスで、海外向けに通販を開始した「タビオ」。サービスを開始した当初に比べ、売上は170%に増えているそうです。

「靴下屋」などを運営する「タビオ」は、変わった特徴的なデザインも一つ人気です。一足1000円前後と靴下といっても少し割高かなという印象ですが、約6000アイテムの高品質な日本製の靴下が円安でいつもよりお得に購入できるということです。タビオWEB営業部の武田知定係長によると「コロナ前、訪日経験のある人が通販を多く利用してくれている」という傾向があると述べています。

さらにもう一つご紹介します。ユニークなデザインの雑貨やグルメなどを扱う越境EC「Pinkoi」。日本のショップが「Pinkoi」で開店する数は、2021年9月と2022年9月を比べると約1.8倍増えているそうです。

どのようなものが人気なのかというと、例えば、グラスや酒器です。桜や富士山、猫など日本らしいデザインが入ったものが人気だそうです。この日本を思わせるようなグラスなどを使って、旅行気分を味わう方も増えているそうです。「丸モ高木陶器」のグラスも桜がモチーフになっており、常温のときでは桜が「白」ですが、冷たいものを入れると、色が変わり「ピンク」になります。このようなユニークなデザイン・サービスもあるわけです。そして、小銭入れやバッグなどフルーツをモチーフにした革製品が人気だそうです。「EARL’S FAVOURITE」のいちごをモチーフにした小銭入れは、3300円と少し高いかなという印象も受けますが、円安だからこそ人気なのかもしれません。

そして、アクセサリーは繊細なデザインと品質の高さが人気ということです。「地下3階」の1つ3200円くらいのイヤーカフも人気ということで、円安を追い風にして様々な人気やファンが増えているみたいです。

井上キャスター:
日本の商品は、技術力の高さや緻密さ、精巧さが高く評価されますが、高いイメージがあった。でもそれが安くなれば、どんどんファンがついて広がっていくビジネスチャンスの側面があるわけですね。

ホランキャスター:
デザインのかわいらしさとか、海外の方に知っていただくのは嬉しいなと思いつつも、自分が越境ECを使うときに、ドルやユーロやポンドを円に戻したとき、こんなに高いんだとびっくりすることもありますしね。

井上キャスター:
消費者側からすると、円安というのはダメージが大きくて、全体としてみるとデメリットの方が大きいのかなと思いますけどね。あとやっぱり、これだけ変動するのがリスクなのかなと。もう少し適正価格で、でも日本にできることは少ないですけど、もう少し留まってもらわないと企業としても、収支を計算するのもなかなか難しいですからね。

ホランキャスター:
こういったことに振り回されてしまう企業や生産者の方は大変だと思いますが、これがまたどこまでふれてしまうのかという見通しも難しいですよね。

井上キャスター:
専門家によっても、年内までは円安が続くのではないか、来年の春くらいに円高にふれるといいなと。それも結局アメリカ次第のようです。