去年、伊江島でおこなわれた沖縄戦の実話を基にした映画の撮影中に、20人相当の遺骨が発見されていたことがわかりました。遺骨と一緒に、沖縄戦当時の旧日本軍のものとみられる遺品も見つかっていて、国が鑑定を進めています。
伊江島は、1945年4月16日から6日間にわたって激しい地上戦がおこなわれ、2000人の旧日本軍の兵士と、当時の住民の半数にのぼる約1500人が犠牲になりました。
伊江村などによりますと去年、伊江島で旧日本兵の実話に基づいた映画「木の上の軍隊」の撮影がおこなわれた際に、戦没者とみられる遺骨や遺品がみつかったということです。
▼遺骨などを発見した知念洋輝さん
「最初は本当にびっくりしました。まさか、自分の会社の敷地から遺骨が出るとは思っていなかったです」
遺骨は去年8月、映画で使用する木を植えるために、資材置き場で掘削作業をおこなっていた際に見つかりました。厚生労働省によりますと、その数は、20人分に相当するということです。
▼遺骨などを発見した知念洋輝さん
「ヘルメットや水筒。あとは、身につけていた軍服のボタンや手りゅう弾とか。弾薬みたいなものも出てきました」
遺骨とともに、旧日本軍のものとみられる装備品なども見つかっていて、厚生労働省は遺骨が戦没者かどうか、鑑定作業をすすめています。
▼遺骨などを発見した知念洋輝さん
「自分も掘りながら一つも残さず掘り上げようという気持ちと、本当に一日でも早く、ご遺族の皆さんのもとに帰ってくれたらなという思いで掘っていました」
映画の撮影中に戦没者とみられる遺骨が見つかったことについて、監督をつとめた平一紘さんは…。
▼平一紘 監督
「この映画で、この遺骨の方たちがご遺族に巡り会えるかもしれないということを考えると、それはよかったなと思いました。伊江島で本当に戦争が起きて、今なおこうやって遺骨が出てくるということは、本当に80年前に戦争が起きた事実を現実味をもって自分の身に迫ってきて、この映画を撮ることの意義を非常に強く感じました」
伊江島で遺骨が発見されるのは、2003年以来だということです。