木島平村によりますと、本来、樽滝は樽川上流の不動明王をまつる神社の直下に位置する「雄滝」と「雌滝」を合わせて樽滝と呼んでいて、戦前までは5月8日に、この滝を見るために多くの人が集まり、不動明王にお参りしていたということです。

そもそも樽滝は、1923年に建設された中部電力樽川発電所の水路から余った水を流したことで出来たものでしたが、1984年に上流にある水力発電所で水路の改良工事が行われたことで放水がなくなった経緯があります。

これに対して、地元や写真愛好家らから復活を望む声が上がったため、1987年から5月8日に開かれる地元の「玉滝不動明王例祭」に合わせて、発電所側が放水して復活していました。

美しい滝にちょっと「水を差す」ようですが、放水は、水路にたまった土砂を取り除く目的もあるそうです。

ところが2025年は、この発電所の改修工事が行われているため、中止せざるを得なくなったということです。

樽滝は、新型コロナの影響で、2020年と2021年は放流を中止していて、今回は4年ぶりの中止となります。

その一方で、毎年、樽滝の出現に合わせて地元の住民が手打ちそばや焼き鳥、おでんなどの販売を行う「糠千そば祭り」は例年通り行うことを決めました。

村では、地元の耕作放棄地で栽培するそばの提供などを通じて、地域の連携強化にも繋げたいとしていて、多くの人の来場を呼びかけています。