不登校の小学生と中学生の数が最多を更新した。

34万6000人が学校に行けずにいる。

児童生徒が減る一方で増え続ける不登校。理由や背景は様々だが、果たして学校は今、安心して学び経験できる場所になっているだろうか。

不登校をなくしたい、と「身なりを自由」にした学校や、小中学生が通う学びの場をつくった大学を取材した。

人間関係に悩み小学4年から不登校に

福岡県行橋市に住む小学6年生の男の子は、人間関係に悩んだことがきっかけで、4年生のときから学校に通えなくなった。

今、週に1回、福岡県田川市にある福岡県立大学に通っている。

大学に設置した「不登校・ひきこもりサポートセンター」

福岡県立大学では、「不登校・ひきこもりサポートセンター」を設置している。

不登校に悩む小学生から19歳までを対象に支援を行う場所で、大学の教員のほか専門講義を受けた大学生などが子供たちの相談に乗ったり勉強を教えたりしている。

大学がこうした支援を行うのは全国的にも珍しい取り組みだという。

福岡県立大学 原田直樹 准教授
「まずは大学という、ある意味閉ざされた空間ですので子供たちにとっては安心感に繋がります。通う子どもたちは、同級生とか知っている地域の方に会う可能性がないので、安心して来られるんだということを言っていました」

個別対応や集団対応など子供たちそれぞれに合わせたコースがあり、学校と相談のうえ、センターに来たことで「出席」扱いにすることも可能だ。

「きょうはどんな大学生がいるんだろうと楽しみ」

この日センターでの一日を終えた小学6年の男の子は記者に「楽しかった。これからも通いたい」と話した。

小学6年生の男子児童
「きょうはどんな大学生がいるんだろうと楽しみに来ています。楽しいことがいっぱいある1年間になったらいいなと願っています」