ミャンマー中部を震源とした大地震の発生からあす18日で3週間です。これまでに3700人以上が亡くなりました。鹿児島に住むミャンマー出身の人々が、母国のために祈りを捧げました。支援活動も始めた人たちの思いを取材しました。

ミャンマーで先月28日に起きたマグニチュード7.7の大地震。軍事政権はこれまでに3706人の死亡を発表。130人が行方不明となっています。

鹿児島市にある天台宗の寺、南泉院。広い境内の一角に、ミャンマー式の仏塔「パゴダ」があります。鹿児島大学のミャンマー人留学生たちからの「鹿児島でも祈る場所がほしい」との声を受け、2007年に建てられました。

(記者)「鹿児島に住むミャンマー出身の方々が、このミャンマー式仏塔の前に集まりました。先日の地震の被災者のために祈りを捧げています」

国によりますと、昨年末時点で鹿児島に住むミャンマー人は1527人。この日はおよそ80人のミャンマー人、40人の日本人が地震の犠牲者と復興への祈りを捧げました。

(カイマラーさん 介護職・23歳)「家族は大丈夫かなと思って、3日間くらい連絡できなかったので心配した」

(ミーミャットゥさん 介護職・23歳)「私の家族は大丈夫で嬉しいけど、他の人は亡くなったので残念」

追悼の会の主催者、副住職の平野亮雲さん(63)です。ミャンマーに16年間住んでいました。この日は当初、ミャンマーの正月祭りを開く予定でした。

(平野さん)「(祭りで)ミャンマーの踊りを踊る予定だった人たちから『今年は踊れない』という連絡があった。『自分たちも何かしないといけない』と鎮魂と追悼の法要を企画した」

鹿児島市の専門学校でビジネスを学んでいるプインイーピューさん(29)です。鹿児島に来て1年が経ちました。

(プインさん)「ニュースをずっと見ていて、とても悲しい。(被災地では)水や食べ物が足りないし、買うお店も無い。だからとても大変」

今月6日に天文館で行った募金活動ではおよそ83万円が集まり、現地のボランティア団体に寄付しました。

(プインさん)「(ミャンマーの)みんなはとても困っているから、私たちがここからお金とかを贈るしかない」

今月15日、インターネットを使って友人に現地の様子を聞きました。

震源に近いマンダレーに住むカインジンピョーさん(26)。子どもたちに英語を教える仕事をしています。

(カインさん)「地震後、家に帰ることができていない。発生直後は道端で過ごしていた。気温が38度から41~2度まで上がる季節なのでとても暑い」

今、電気が使えるのは1日4~5時間ほど。近くでは、まだがれきの下敷きになり、見つかっていない人が大勢いるとみられています。

(カインさん)「地震で多くの人が亡くなった。みんなが祈ってくれたり、力をくれたりして、とてもうれしい」

(プインさん)「いろいろ困っていることを聞いて悲しいけど、諦めないでもっと頑張ってほしいということだけ・・・」

ふるさとから3500キロ離れた鹿児島で暮らすミャンマー人たちは、母国への支援と祈りを捧げています。

(プインさん)「鹿児島でできることは応援しかない。私は日本にいるけどミャンマーにいる友達と(心は)一緒」