14日熊本県内各地で降った「雹(ひょう)」
4月中旬に阿蘇で雪が降ったのも驚きでしたが、きのう14日は熊本県内各地で「雹(ひょう)」が降りました。
14日(月)のRKK(熊本放送)のスクープ投稿には、熊本県大津町や菊池市、八代市などからも「ひょう」の動画や写真が届きました。

では一体なぜ「ひょう」が降ったのでしょうか。その理由は、寒冷渦(かんれいうず)です。
けさ15日の上空の寒気の様子を見ると、真冬並みの強い寒気が日本の上空で大きな円を描いています。

寒冷渦とは、上空に寒気を伴った低気圧のことです。この寒冷渦があることで大気のバランスがとても不安定になりました。

上空には真冬並みの冷たい空気。一方、地上には暖かい空気があり、バランスが取れていません。
この不安定さを解消しようと、暖かくて軽い空気が上昇し、積乱雲が発生・発達します。発達した積乱雲の中で小さな氷の粒が上昇と下降をくり返し周りの粒とぶつかったりくっついたりして大きな粒に成長。そして地上に落ちてくるのが「ひょう※」です。
※「ひょう」は直径5㎜以上の氷の粒。5㎜未満は「あられ」。

沖村考祐アナウンサー「珍しい現象なのですか?」
実は、春から初夏は「ひょう」が降りやすい季節でもあります。
上空は冬のような寒気が度々流れ込むのに対して、地上は気温が上がり、上空との気温差が大きくなりやすいからです。
ただ、熊本県内は現在は大気の不安定さは解消され、あす16日は安定して晴れそうです。
解説:坂本くるみ気象予報士