鹿島街道は、いわき市の平から小名浜を繋ぐ主要道路だ。この街道沿いには、地元の人々に愛され続ける名店や、思わぬ驚きを与えてくれる隠れた名所が点在している。

今回は、この街道を巡り、いわきの新たな魅力を発見する旅に出かけた。

緑のスープに驚き!絶品ラーメンの世界

鹿島街道沿いには、個性豊かなラーメン店が軒を連ねている。
中でも特に目を引いたのは、「めん鶏」というお店だ。

ここでは、鶏白湯ラーメンを中心としたメニューを提供しているが、その中で異彩を放つのが「ジェノベーゼラーメン」である。

店主は「鶏が好きだからですね、さっぱりとして旨味が濃いところじゃないですか」と語る。ベースとなる鶏白湯スープには「ふくしま三大ブランド鶏」を丸鶏のまま、大量のもみじと煮込んで作られている。そこにバジルを加えることで、鮮やかな緑色のスープが完成する。

このラーメンを試食した番組MCは「美味しいね」「すごい奥行きのあるうまさですね」と絶賛。「鶏とバジルが本当にうまく合わさってますよ」というコメントからも、その独創的な味わいが伝わってくる。

伝統と革新が融合する人形の世界

いわき市内にある2店舗の人形店。そのどちらもが店を構えているのが鹿島街道。
まさに「人形店ストリート」なのだ。

その中の一つ「東月」は東北最大級の品揃えを誇る店だ。

端午の節句を目前にした店内には、300点以上の鎧兜が展示されており、中には日米首脳会談の際にトランプ大統領に贈られたカブトを作った職人の作品も販売されている。しかし、東月の魅力はそれだけではない。

スペインの高級陶器ブランド「リヤドロ」という人形も取り扱っているのだ。
福島県唯一の正規代理店でもある東月では、リヤドロの鎧兜も販売されている。

さらに、地元いわきの特産品である「めひかり」をモチーフにした創作こいのぼりなども。

伝統と革新が見事に調和した商品にも注目したい。

極上の焼肉を求めて

鹿島街道で多く見かけるのが「焼肉店」。
そう、まさに鹿島街道は「焼肉激戦区」なのだ。
その中でも特に人気なのが「湖南亭」。

店長の文山さんは焼肉協会認定ソムリエの資格を持つプロフェッショナル。

「使ってるメインのお肉が雌牛っていうのが一番他店と差がつく感じになっておりますね」と語る。雌牛は、雄牛に比べて脂がきめ細かく柔らかい肉質が特徴で、口の中でとろけるような食感を楽しむことができる。

さらに、湖南亭では産地や銘柄を固定せず、その時期にベストな肉の産地を見極めて提供している。「特上和牛リブロース」などは、その日仕入れた肉の質を見極めて数量限定で提供される逸品だ。

湧き出る歴史、吉野谷鉱泉

鹿島街道を離れ、少し山間部に入ると、思わぬ発見があった。
街道沿いに大きな看板をたてているのが、創業300年以上と伝えられる「吉野谷鉱泉」だ。

ここでは、2種類の鉱泉をブレンドし、薪で焚いて提供している。

興味深いのは、周辺の開発が進む中で、この鉱泉だけが自然に囲まれた状態で残されていることだ。「大きな沼があって、その水でここの鉱泉水が保全されてるわけですね」と店主は語る。多くの人々の努力によって、この歴史ある施設が守られてきたのだ。

「伝統産業って言うのは次から次になくなっているでしょ?薪焚き温泉という1つの伝統産業をなんとか守って次の世代に伝えたい」と、店主は語る。

さらに驚くべきは、この施設内で学習塾が運営されていることだ。早稲田大学卒業、イギリス留学の経歴を持つ代表が、先生となって指導している。自然に囲まれたこの学習環境は事情を抱えて登校できない生徒たちの寄り所にもなっているのだ。

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鹿島街道を巡る旅は、想像以上の発見の連続だった。
地元の人々に愛され続ける名店から、歴史ある施設まで、いわきの魅力は尽きることがない。
この街道は、まさに「いわきの宝物」が眠る場所なのだ。訪れる人々に、新たな驚きと感動を与え続けることだろう。

『ふくしまSHOW』
(福島県域 水曜よる7時~)
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https://tver.jp/series/sro2m95cnv